トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2017年2月8日水曜日

「カナダで夏オーロラ鑑賞」のポイントは?

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2012年に大きな話題となった、カナダのオーロラ。有名なイエローナイフの「オーロラビレッジ」で人生初のオーロラ鑑賞ツアーに参加しましたが、まさか夏にも見ることができるとは知りませんでした。

ツアー参加が正解

最初はこういうツアーではなく個人で行こうとしたのですが、「イエローナイフは素人がカメラを担いで行けるような場所ではないですよ」と旅行会社の方に優しくいさめられてしまいました。この時は冬オーロラで、帰って来てからその方のアドバイスを聞いておいてよかったとほっと胸を撫で下ろしたというわけです。予備知識ゼロからのオーロラ鑑賞でした。



当時の私は、イエローナイフは街の名前でカナダでオーロラ鑑賞と言えばここが有名、ということも良く知りませんでした。位置関係地図でご覧ください。トロントからイエローナイフへは直行便がないので、エドモントン経由となります。トロント〜エドモントン(約4時間)/エドモントン〜イエローナイフ(約2時間)。エドモントンからは座席数が少ない小型ジェットになり、結構満員。イエローナイフ空港ではタラップを降りて徒歩で空港ビルに向います。空港ではあらかじめ便名を言ってありましたからガイドさんが待っていて、送迎バスで10分ほど行くとホテルのあるダウンタウンに出ます。 20120925_134516
日本からだと、エアカナダで1回乗り継ぎでイエローナイフに行くことができます。ルートは、成田発カルガリー行き(約10時間)に乗りお昼前にカルガリーに到着。約1時間の乗り継ぎでカルガリーからイエローナイフ(約2時間)へ向うと、現地時間の夕方にはイエローナイフに到着します。

ちなみにカナダは全部で6つのタイムゾーンに属していますが、イエローナイフは山岳部時間(MDT)にあって、東部時間のトロントとの時差は2時間(トロントが正午の場合、イエローナイフは午前10時)。日本とは15時間になります。

あれから1年がたちますが、ウエブサイトを見るとビレッジではオーロラが見え始めているようです。詳しくは、下記のウエブサイト「オーロラ情報ページ」をご覧ください。

http://www.aurora-tour.com/


カナダのオーロラは、夏も冬も見ることができる

「オーロラと言えば冬」という印象が強いわけで、私も最初に行ったのも冬真っ盛りの2月。帰って来てから「夏オーロラ」のことを同じ旅行社の方から聞いて、ぜひ見たいと思ったわけです。このブログに掲載している写真は、すべてこの時に撮影したものです。近年になり「夏オーロラ」は旅行者の間でも徐々に知られてきているようですが、私自身夏に迫力あるオーロラを見ることができて、このことはもっと多くの人に知ってもらいたいと願っています。ここではあらためて夏でもオーロラが見える理由も含めて、オーロラ鑑賞の条件についておさらいしてみましょう。

20120924_024604 1)太陽からプラズマ分子が降り注いでること

太陽が活発に活動をはじめると、目に見えない粒子が大量に地球に降り注ぎます。この粒子が地球の大気とぶつかる時に、オーロラが出現します。色の違いは粒子がぶつかる時の高度によるらしく、時には赤やピンク、紫などの色を放つことがあります。太陽の活動は強弱を繰り返し日によって強弱が変わるため、毎回色も形も強弱も変わるわけです。

2)「オーロラ・オーバル」というオーロラ出現率が高い場所にいること
オーロラは特定の場所で良く出現します。それはオーロラが見える仕組みに関係しているわけですが、難しいことはともかく、この特定の場所は「オーロラ・オーバル」と呼ばれているドーナッツ状のエリア。北半球では、ノルウェー、フィンランド、アメリカそしてカナダ北部がこの「オーロラ・オーバル」の下に位置しています。カナダではイエローナイフの他に、ホワイトホースでもオーロラは見ることができます。
ではなぜイエローナイフが有名かというと、冒頭に書いた通り日本人観光客を受け入れるためのサービスが充実している「オーロラビレッジ」という鑑賞施設があることが大きな要因として考えられます。近年ではネットで情報を調べて個人旅行というスタイルが流行していますが、自然環境のハードルが高いオーロラ鑑賞はこういったツアーに参加する必要があります。

3)空が晴れていること
地上でオーロラ鑑賞をするためには、上空100〜500キロに出現すると言われます。それよりずっと低い場所に現れる雲が出現すると、オーロラは地上からは遮られてしまい見ることができません。「上空が晴れていること」は重要なのです。

4)暗いこと
オーロラはとても弱い光です。実際に肉眼では夜空に薄い雲のようなものがゆらゆらと現れる程度の光の筋として見られ、空に雲が出ている場合に見間違えることがあるほどです。理想的には新月(月が出ていない夜)の漆黒の夜空で、街の明かりから離れている森の中などがベストです。
もう一つ気をつけなければいけないのが、「オーロラ・オーバル」に訪れる「白夜」。特に北欧やカナダ北部、アラスカでは、5月〜7月の間は深夜になっても空は真っ暗になることがない白夜のため、オーロラが出現していても肉眼で見ることができません。イエローナイフも白夜に近い状態になるため、日が沈んでも夜が暗くなることがありません。ちなみにイエローナイフの場合、白夜と天候の関係でオーロラ鑑賞ができるのは8月〜9月下旬、11月下旬〜3月下旬が目安となるようです。

上記の4つの理由から、オーロラ鑑賞の条件として「季節は関係ない」ということがわかります。実際昨年9月末にイエローナイフに行って経験した現地の日中の気温25度以上、夜は5度前後で、同じ年の2月にマイナス25度超えの極寒の中でオーロラ鑑賞をした時のことを思い出して、びっくりしてしまいました。

夏オーロラの鑑賞ポイント

1)寒くない
夜の気温が5度前後ですので、日本で普段に着る冬物のコートや手袋、ブーツなどで大丈夫。日中は20度を越えることもありますから、場合によっては日中はTシャツでも平気です。事前に天気や気温をネットで確認することをおすすめしますが、冬のような重装備は必要ありません。

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2)湖に映る「逆さオーロラ」が必見
冬はカチンコチンに凍ってしまう湖も、夏の間は水をたたえた本来の姿に。風が吹かずに湖面が滑らかな時間帯にオーロラが出現したらぜひ湖面に注目してみて下さい。なんと、逆さまに映るオーロラ鑑賞ができます。これは夏だけにしか見ることができないレアな現象。私が滞在した時にも一日だけそうしたチャンスが巡り会うことができました。今でも忘れられない経験です。

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3)星空鑑賞を堪能できる
冬オーロラ鑑賞の時に私が気づかなかっただけかも知れませんが、漆黒の夜空に映える夏の星空は圧巻。私が滞在した時には天の川とオーロラのツーショットを見ることができました。まさに空から降ってくるような星空が堪能できたのが、今でも強い印象に残っています。

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4)夏でも「オーロラブレイクアップ」は起きる
オーロラ出現に季節の違いはないため、夏でも美しい「ブレイクアップ」と呼ばれる現象を見ることができます。これは瞬間的にオーロラが全天を覆いつくす状況を言うものです。私が昨夏に見たのは、南北の方向にくっきりと見える一筋のオーロラが時間とともに揺らぎ始めて、一瞬強くなったかと思うと東の空で「パチパチ」と音がした「気がする」ほど強烈なピンク色の光が肉眼で見えて、その後あっという間に全天をオーロラが覆った、といった様子です。

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5)野生のバッファローも鑑賞できる
オーロラビレッジが催行しているオプショナル・ツアーに参加すると、昼間のイエローナイフを知ることができます。その一つが、北米に生息する「アメリカ・バイソン」という巨大な野牛を鑑賞するこのツアー。かつては北米にたくさん生息していたバイソンは乱獲により激減、現在は絶滅の恐れのある動物としてワシントン条約で保護されています。ツアー自体はバスで生息地区を走り、見つけると車内から群れを鑑賞するというスタイル。野生のバイソンを見つけるのはなかなか難しいそうですが、私が参加した時には沢山の群れに遭遇することができました。

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6)短い秋には黄葉鑑賞も
イエローナイフは主に針葉樹で覆われていますが、秋になると「黄葉」という紅葉に似た風景を見ることができます。カナダではカエデの赤やオレンジが美しい東部カナダの紅葉が有名ですが、それとはひと味違う黄みがかった「黄葉」はこの地域限定。飛行機からも見ることができるので、昼間のフライトだったらぜひ窓際に席を予約して外を見て下さい。オーロラビレッジのオプショナル・ツアーに参加すると、キャメロン滝へ向う軽いハイキングを楽しむことができます。私はハイキングは全くの初心者ですが、夏の爽やかなハイキング・コースを森林浴を楽しむことができました。

20120923_164230 トロントからだとエア代+ホテル代+オーロラツアー代金を含めても、日本からよりかなりお得。夏の時にはスタンダードクラスのホテルに4泊5日滞在してツアー代金含めて800ドルちょっと。飛行機代はエアマイルを使ったので、1,000ドルほどの予算になりました。オプショナル・ツアーは別で、それぞれ100ドル前後だったので現地で申し込む時に躊躇したのですが、せっかくなので一度は見ておきたいと思い参加しましたが、今から思えば良かったと思います。

夏オーロラはオススメです



特にカメラ好き、写真好きの方ならオーロラ、星空に加え、日中もイエローナイフの自然と被写体には事欠かないわけですから、この秋、あるいは来年3月までの期間、ぜひにとオススメです。私ももう一度行きたいと思っているのですが・・・3度目のオーロラ鑑賞は、気温が高くて体の負担が少ない夏オーロラかな?? なお、日本の書店で「'13-'14地球の歩き方 カナダ」及び「'13-'14地球の歩き方 カナダ西部」を見かけたら、カナダ版は巻頭グラビア「四季で見るカナダの絶景巡り旅」の「冬×オーロラ」の写真、カナダ西部版は巻頭グラビア及び「オーロラ撮影の基本ポイント」も執筆させてもらいました。

イエローナイフの夏オーロラをスライドショーでご覧ください。