トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2016年9月7日水曜日

Rollei35でマクロ的に撮る方法



Rollei35は最短距離より近い手元を撮るためには工夫が必要になってきます。

最近のコンデジだと手元をクローズアップして撮る「マクロモード」が備わっているので、スイッチ一つで手元をクリアに撮ることができます。Rollei 35 は寄って撮るのは苦手で、最も近い所でもピントが合うのは90センチまでと決まっています。不便といえば不便なのですが、カメラが誕生した当時はライカをはじめとして皆こうして撮っていたわけです。

それでも手元が撮りたい場合は、クローズアップ・フィルターをレンズの前に取り付けるという方法があります。あいにく Rollei35 専用のものがどこを探しても見つからない。代用になるものはないかと、手元にあるニコン用のレンズをみていたら、Foigtlander 40mm F2 が目にとまりました。これはレンズとして面白くて買ったのですが、約30センチまで寄れるパンケーキのフードにねじ込むタイプのクローズアップ・フィルターが付属していたのを思い出しました。

偶然ですが、Rollei35 S も40ミリ。レンズの焦点距離が同じなら、このフィルタを流用すれば論理的に約30センチまで寄ることが可能なはずです。Rollei35 につけているゴム製のフードの径がちょうどフィルタと同じことを発見し、これに押し込めばなんとかレンズ前でフィルターを固定することができます。

さてどんなふうに映るのか。。。

デジカメと違って、現像に出さないと結果がわからないのがフィルムカメラの面白さ。24枚撮りを1本使って実験してみた所、最初の1本は見事に、ほぼ全部がピントを外した写真ばかりになってしまいました。一眼レフやコンデジは、ファインダーやディスプレイで被写体の様子をしっかり捉えることができますが、Rollei35 の場合は目測。ファインダーの役割はピントの確認ではなく、これから切り取ろうとしているエリアを「だいたい」理解することにあります。クローズアップ・フィルターをつけてしまうと条件が変わり、ファインダーで見える構図と実際撮影される構図は変わり、もともとピントも確認できませんから難易度がぐっと上がってしまいます。要するに、ファインダーが全く役に立たない(ノーファインダーで撮る)わけです。

唯一距離を正確に測って一枚だけ撮っておいたコマがあり、見るとバッチリ合っています。それならピントが合う論理的な距離(33センチ)がいつでも正確にわかるように「定規のようなもの」を作ってみたらどうかと考え、レターサイズの紙を使って折りたためる紙製の定規を考え出したわけです。この「定規のようなもの」をフィルタと共に持ち歩き、手元を撮影したい時はあらかじめレンズまでの適正距離を測り、そこまでカメラを持って行って撮る、という方法を取れば理屈としてはうまく行くわけですが、果たしてどうでしょうか。

使ってみるとこれが便利で、紙ですから折りたたんでおけばかさばることもなくフィルターと一緒に持ち歩けます。ピントが出る距離が正確にわかるので歩留まりが飛躍的に上がり、このブログのような写真が撮れるようになったのは嬉しかった。最初の24枚撮りで失敗した経験が生かされ、今回の最初に掲載した写真は2本目に入れたフィルムをボストン旅行に持って行った折部屋で撮ったもの。右のスタバのカップも、揺れる機内というシチュエーションでしたが、共に満足できる感じで撮れていました。



今から50年以上も前に設計されたRollei35。ピント合わせは目測ですが、ゾーンフォーカスといって絞りによってピントが合う幅が出ることを利用してスナップ的に撮るのが得意なカメラです。ボストンの Cape Cod をドライブしていて途中のビーチで撮った一枚は、フィルムカメラならではの味わいがあって気に入っています。

ポケットの中に入れておける手軽な Rollei 35 は荷物を増やしたくない旅先で大活躍。適度な重量感とみっちり詰まったメカニカルな雰囲気も秀逸で、フィルムならではの味わいを手軽に楽しめるのが魅力です。

フィルム代やら現像代がかかるのでバシバシというわけには行きませんが、思い出に残る写真を撮ることができるのはこのカメラの醍醐味。弱点の手元撮影も今回克服できましたから、今後ますます活躍しそうです。