トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2016年6月26日日曜日

フェリーに乗って LEVIS のパブへ



今回は、ケベックシティのホテルにチェックインをした際、フロントの係員に「美味しいケベック・ビールを飲みたいんだけど・・」と聞いたところから始まった顛末について書いてみたいと思います。

きっかけは、ホテルのチェックイン時の会話から



街に着いたばかりで、何か地元で得られる情報はないかと思い何となく聞いてみたビール情報。地図を広げてココと言われたのは、聞いたこともない対岸の街 LEVIS でした。「フェリーに乗って、歩いたらすぐ・・・」という非常にざっくりとした情報で、ビールを飲むのならここのパティオがいいと強く勧めるので、早速出かけることにしました。



モントリオールでも街の観光案内所に行って聞いたりする経験から、こうした情報は人によって玉石混交で「さて、この人の言っていることに従って数時間を過ごす価値はあるだろうか・・・」と考えるのも楽しみ。今回は乗ってみることにしました。理由は特にありませんが、話している時に感じた人柄でしょうか。



ホテルに着いたばかりで自分のいる場所も定かではない中、土地勘をつかみたいという気持ちの中で思い歩き始めると、宿泊している場所が有名なシャトーの真裏だということがわかり、がぜん位置関係が分かってきます。フェリー埠頭を上から確認。フニキュラ(Funicular)というケーブルカーのようなものでローワータウンを経由し、もらった観光地図を頼りにフェリー乗り場に向かいます。

フェリーに乗り、知らない街へ行きます



これがフェリー乗り場の建物。Traversiers という会社が運行しているフェリーです。正式名はケベック州政府が親会社の The Société des traversiers du Québec (STQ) 。幾つもの路線を持っていますが、ケベックシティと LEVIS 間は1キロを12分で結びます。スケジュールは30分間隔のようです。



ウエブサイトを後で見たら、こんなムービーが上がっていました。冬に乗ってみたいですね。

https://www.traversiers.com/en/home/



入り口のパネルはすべてフランス語ですが、フェリーと人の絵が書いてありますから、ここが人の乗り場であることがわかります。



ここを入り乗り場がある2階に上がると、Leifur Eiriksson という人物を記念するモニュメントがあります。

説明文を読むと、カナダは紀元1000年にアイスランド人の冒険家エリクソンによってカナダが世界で初めて「発見」されたという伝説が披露されています。実際バイキングがカナダにやってきたのが同じ頃。ランス・オ・メドーの海岸に朽ち果てた小屋があり世界遺産になっていますが、こうした史実がエリクソンの伝説を真実の物語と考える理由にもなっています。

このモニュメントは、ケベック市制定400周年を迎えた2008年にアイスランド共和国の大使によりケベック市との友好の証として寄贈されたものだそうです。カナダがヨーロッパ人の入植地となったのは16世紀のこと。歩いていると、こういうものに出会うところが面白いですよね。



このモニュメントの先にチケット販売の窓口があります。



往復を買います。片道$3.55ですから、往復で$7.10払っていますね。キャッシュあるいはVISAのみです。



しばらくするとフェリーがやってくるのが見えます。



大きいですね。



買ったチケットは、こういう改札でスキャンして中に入るようになっていました。赤く光っている所にチケットを差し込むと、バーコードをスキャンするというわけです。OPUS カードも使えるようでしたから、モントリオールで買ったのを持って来ればよかったと悔やんでも後の祭。家に置いてきてしまいました。ケベックはモントリオールと公共交通機関のスマートカードが共有されていました。



いよいよ乗船



このルートに就航しているのは、N.M. Alphonse-Desjardins と N.M. Lomer-Gouin の2隻。乗船したのは、1971年建造の Alphonse-Desjardins。全長約66メートルのフェリー船は590人乗りでクルマは54台収納可。大型船です。



対岸には LEVIS の街が見えます。



フェリーは1階部分と2階部分があり、1階の屋内に入るのにはボタンを押してドアを開けるようでした。



中は広々。冬などはここにいないとなりませんから、当然ですね。自動販売機があり、なんだか日本の昔の連絡船のような雰囲気です。



フェリーの歴史展示などもありました。



2階へ上がってみます。



ここから見るケベックシティの眺めは、なかなかのもの。



景色を見ていたら、あっという間に LEVIS に到着です。



地下部分はクルマが収納されていますので、専用の出口があります。



ぞろぞろと降りて行きます。

ブラブラ歩いて目的のパブを見つけました



名前は、Le Corsaire Microbrasserie(http://corsairemicro.com/)。いわゆる観光地にあるそれとは違う、完全にローカルのパブです。宿泊客にわざわざフェリーに乗らないと行けないパブを紹介するっていうのが、なかなか興味深いところです。またそういうシチュエーションを面白がって来るというのも、また一興。



パティオにはたくさんの人がいましたが、残念ながら昼食の時間は終わってしまっていて、ビールだけ。ケベックビールを飲みましたが、お腹がとても空いていたので、チップスか何かでもないかと聞きましたが「ない」と。残念でした。それでもパティオの雰囲気はよかったです。ちなみにお食事が出る時間は午前11時〜午後2時と午後5時〜午後10時までの間でした。

街に戻ります



そのパティオの目の前に見えていたのが、LEVIS の昔のホームらしき建物。古い駅舎も残されています。こういうものを壊さないで残しておくというのは、とても良いと思います。



かつてここは VIA鉄道が走っていたようで、建物の外壁には「VIA LEVIS」というプレートが残されていましたが、今は観光案内所として使われているとのこと。



フェリー乗り場を改めて見ると、なかなか近代的で立派な建物でした。



OPUS カードにも対応した近代的な改札ゲートシステムを見ると、このフェリーは通勤に使われているのではないかと想像できます。



ガラス窓ごしに見るケベックシティもきれいでした。行きと同様に乗り込み、2階へ。美しい景色を見ながらのんびりとした時間が過ぎてゆきます。なんだか観光をしているという雰囲気ではありませんね。地元に住んでいるみたいです。



埠頭に近づくと、観光クルーズ船が見えてきます。普通だったらあれに乗るところでしょう。実際ホテルで話を聞く前は、これに乗ってもいいかな? と思っていたくらいでした。1時間半のガイド付きで約40ドルになります。一方フェリーはガイドなし。のんびり景色を見ながらの12分で7ドル10セントは、お得だと思いますよ。

行った先のパブで食事ができなかったのが残念でしたが、フェリーに乗ってセントローレンス川を渡りビールを飲みに行くというのは、なかなか得難い経験。ホテルでオススメを聞くのも良いかもしれませんね。



フェリーを降り、次に向かったのは VIA鉄道のケベックシティ駅。徒歩18分と出ていますので、運動がてら歩いて行きます。



途中で旧港(Old Port)のマルシェに立ち寄ってみます。その街の市場に行くとその街がわかる、とは良く言われることですが、ここはどうでしょうか。



変わったパッケージのメープルシロップが目を惹きましたので、購入。これは便利です。トロントと比較するとずいぶん安い。



サイクリングロードが整備されていて、自転車での移動が楽しそうです。いつか自分のブロンプトンを持ってきたいですね。

VIA鉄道駅に行きます



マルシェから駅までは、近かったですね。



Gare du Palais(パレス駅)と呼ばれるだけあって、宮殿のよう。



1915年に完成した威風堂々の駅舎は、トロントのユニオン駅がイギリス調とすると、やはりフランスのお城風と言っても良いでしょうね。



中に入ると、2階吹き抜けになっていました。写真に収まりきれないスケールです。



天井がなかなか壮観。



入って右側の壁には、「Quebec Central Railway/Canadian National Railway」の表示が。想像するにかつてのチケット売り場のようです。



見上げると、壁には「JE ME SOUVIENS」の文字が。これは「私は忘れない」というケベック州のモットー。



ホームへのアクセスは一番奥の「Trains」という表示板の通り、左側に進みます。トロントへの帰りはこの駅が出発なので、下見でした。

ビールを買いに行きます



最後の目的地は、ケベックシティのビール・ストア「L’AXE DU MALT(http://www.laxedumalt.com/)」。ケベック州の地ビールを探しに行きます。



途中 Fortifications of Quebec - Artillery Park から、Fortification of Quebec National Historic Site を抜けて行きます。この辺は最もヨーロッパからの植民の歴史を感じさせる場所ですね。



ようやくたどり着いたビール・ストア。中に入るとコンビニ的なお店でしたが、奥に進むとケベック州の地ビールがずらり。見ているとお店の人が話しかけてきたので、ここに来た理由を説明することに。英語が通じたのでよかったです。



店内は所狭しとケベック地ビールを中心に並べられていました。トリペル的なケベックビールをいろいろと紹介してもらって、持って帰ることができる分のビールを購入しました。ここはもう一度訪れたい場所です。



ビールを背負ってホテルへの帰り道。偶然 Porte St. Jean(1694年)と Porte Kent(1879年)を通り過ぎます。現存する4つの門のうち2つを見たことになりました。残りは、Porte St. Louis(1694年)と Porte Prescott(1797年)の2つ。ヨークで出会った門を思い出すほど、この街がイギリス植民地としての歴史を持っていることを間近に見る思いです。この日に歩いたルートと写真をつき合わせながら調べて行くと、いろいろなことがわかりそうです。



それにしても、ケベック州はスーパーでじゃんじゃんビールを売っているのにカルチャーショック。オンタリオ州とはずいぶん違いますね。



ケベック州ではリカーショップ(酒販売店)はSAQと呼びます。



このビールが、オンタリオ州では手に入らない。これを買いに来た、というのも一つの理由でした。



滞在中の食事は、マルシェで調達してきた美味しいライスボール(チーズ入り)とサラダが中心。



ホテルの部屋で買ってきたものを広げ、ひとり試飲会です。



今では入手困難となっているシロクマのグラスに、シロクマブランドのビールを入れて飲む。これもここでやってみたかったことの一つでした。

これだけまともにケベックシティを歩いたのは、実は初めて。いろいろと勉強になり、はるばるここまで来て良かったと思いました。またぜひ行きたいところです。