トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2015年3月25日水曜日

キッチンで自家製オールドスタイル・イングリッシュ・パンケーキ



カナダで子供の頃から慣れ親しむ代表的な食べ物といえば、パンケーキでしょうね。

世界中でカナダが最大の生産国である自然甘味料のメープルシロップが生産される3月〜4月にかけて、シュガー・シャックと呼ばれる建物のある農家で出されるサンデー・ブランチでは、シロップの引き立て役として存在感を発揮。週末になると、採れたてメープルシロップがたっぷりかかったパンケーキを食べに、どこも家族連れで賑わいます。

生まれて初めてカナディアン・パンケーキを食べたのは、今から15年程前のオタワ。フルトンズというメープルシロップ農家でした。そこには私たち家族が植えたメープルの若木があります。

その後年に一度、ちょうど今頃エルマイラで行われるメープルシロップ・フェスティバルで出されるパンケーキが好きで、毎年トロントからクルマを走らせ買い物帰りに必ず食べるのが楽しみとなりました。特に、びっくりするくらいタップリかけるとれたてシロップの豪快さは、生産地である東部カナダならではの名物。日本で食べるそれとは違った独特の味わいがあり、シンプルで飾り気のない味が好きです。

どうやって作るのか長い間不思議に思っていました。それがカナダについていろいろ調べているうちに、もともとカナダにパンケーキという食文化がやってきた由来が植民地時代のイギリス文化にあったと知り、古式ゆかしいオールドスタイル・イングリッシュ・パンケーキのレシピを探して、自分でも作ってみようと思い立ったのが今回のブログのきっかけです。

基本的なレシピ




キリスト教の伝統が根付くカナダ。一年を通して守られている宗教的な暦があります。その中で特に質素な生活をすることを勧められている期間(四旬節)に、質素な食べ物の代表であるパンケーキが関わってきます。

「オールドスタイル・イングリッシュ・パンケーキ」のレシピがカナディアン・スタイルの原点ならば、これを再現することで、カナダの味の秘密にたどり着くことができると考えました。そのレシピは、びっくりするくらいにシンプルです。

小麦粉:220g
塩:少々
卵:1個
牛乳:600ml(2cup)
バター:小さじ2

まずは分量通りにパンケーキ・ミックスを作り、焼いてみることにします。

最初の一歩




念のため、私はパンケーキを焼くのは初めてです。

ミックスを作る時に気をつけたのは、小麦粉を振るうということでしょうか。他は特別なことをしていません。



フライパンを熱してバターを敷き、パンケーキ・ミックスを順番に入れて焼いて行きます。





火加減は若干弱い強火で、焦げないように気をつけるだけです。



完成したパンケーキは、レモンスライスで食べるのが古式ゆかしいイギリス風なのだそうです。確かにさっぱりしていて、メープルシロップを添えると独特な味わいがあります。もともとこのパンケーキは薄くてシンプルだという説明があり、食べた感じは「こんな感じなのかな?」という印象です。
これを自分のパンケーキとするかどうかと考えた場合、かなり物足りなさが残るのも事実。エルマイラのパンケーキとは、ずいぶん差があります。

問題点として考えたこと


一番気になったのは、固めの食感。薄いパンケーキは食べやすい一方、もう少し「ふんわり感」が欲しい所です。オリジナルのレシピの分量が多めなので、半分で十分。焦げ付きにくいテフロンのフライパンを使ったため、バターは必要なかったかな?

これらを解決するために、次のことを試してみました。

レシピの分量を半分にする。
バターをやめる。
塩をやめる。
卵は2個にする。




これが2度目のレシピです。



ふんわり感を出すために卵白だけを別に分け、バーミックスを使って泡立てたらどうだろうか? と考えました。



この状態の白身を、



ここまで泡立てます。この辺は好みだと思います。



あらかじめ小麦粉と牛乳、卵黄をしっかりとまぜておきます。



泡立て終わった卵白を投入。



ここからは、さっくりと混ぜて行きます。生地の段階でかなりふんわりしています。これで準備完了。いよいよ焼いて行きます。

2度目のトライ


焼き方は前回同様。特に気にせず焼いて行きます。



卵白を泡立てたおかげで、薄めのパンケーキの割には「ふんわり感」がずいぶんと出ました。



焼いている時の見た目も変わりました。バターをやめたことでさっぱり感が増し、卵2個の効果もあり味にコクが出たように感じます。「質素な食べ物」という本来の由来を損なわない程度の改変は許されるでしょう。



パンケーキ・ミックスは半量でも小さなものが6〜7枚は焼けるので、順番に重ねて行くと見た目の迫力が増してなかなか美味しそうです。



生地は薄いもののふんわりしているので、重ねて食べてもそんなにお腹いっぱいにはなりません。メープルシロップをできるだけ多くかけるのが、美味しくするポイントです。

問題点として考えたこと2


ミックスとしてはこれで良いとして、今回気づいたのは「火加減」。何枚も焼いたうち、一枚目のパンケーキの「ふんわり感」が最大でいい感じでした。想像するに、フライパンを熱する温度が高すぎるといくらミックスがふんわりしていても固めに焼けてしまうのではないか、と。この辺を改善することで、さらに食感の良いパンケーキの焼き方を目指します。

3度目のトライ


ミックスの作り方は前回と同じ。今回のポイントは火加減とフライパンの温度調整。



強火にした電気ストーブにフライパンを乗せ、まずは充分にあたためます。良く聞く方法ですがぬれタオルをそばに置き、その都度フライパンを乗せて温度を一定に保つようにします。火加減は常に中火。ゆっくりと焼いて行きます。

焼き方は以下の通り。



フライパンにミックスを入れる。
できるだけ動かさないようにし、泡が立つのを見る。
泡がはじけると片面の焼き上がりのサイン。ひっくり返す。
香りで焼き上がりが分かるので、順番に皿に移す。
フライパンを火から外し、ぬれタオルに乗せる。


これを延々繰り返してゆきます。



最初に焼いた時と比べると火加減かなり弱く、パンケーキはじっくりと焼くと美味しいことが分かりました。



トッピングをいろいろ変えたら豪華になりそうですが、やはり「メープルシロップたっぷりかけ」がこの時期の楽しみ。 一口にメープルシロップと言いますが、東部カナダでも産地はニューブランズウィック州、ケベック州、オンタリオ州とそれぞれ特色があります。



左の2本はオンタリオ州産、中央の缶はケベック州産。



ケベック州産はこんな缶に入っていて可愛い。



冷凍庫保存用のフリーザー・ボトル入りのエクストラ・ライト。奥がミディアムですから、色がずいぶん違いますよね。味もさっぱり、あっさりです。 オンタリオ州産はエルマイラのメープルシロップフェスティバルで買い求めたもの。冷凍庫に保存して必要な分だけ出していまだに美味しくいただいています。





近所のスーパーで、今年の「オーガニック・メープルシロップ」を見つけたので、今回はこれを使ってみました。オーガニックに加えて縁起が良い「初物」を使った自家製パンケーキ。なかなかいい感じです。



さらに今回はシュガー・シャックでは定番の、ブレックファースト・ソーセージを添えてみました。
エルマイラのそれには及ばないものの、何とも贅沢なブランチの完成です。