トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2014年4月13日日曜日

RICOH THETA(リコー・シータ)を使ってみました


昨年(2013年)10月に海外でオンライン販売が始まった(国内販売は11月スタート)、RICOH THETA(リコー・シータ)。「ワンショットで360度のパノラマ写真が撮れる」と話題になり、メディア各社も大きく取り上げた話題のカメラです。
https://theta360.com/ja/


アマゾンでミニ三脚や一脚などと一緒に約5万円で購入し、つい先週手にしました。最近のコンパクトデジカメも高性能になっているので値段的に比較するとアレですが、そもそもこうした比較が行われること自体がこのカメラのもたらしたインパクトということになります。

現在のパノラマの原型を作ったのは、アップル。「QuickTime VR(QTVR)」というパノラマ風景を表示できるテクノロジーを土台に、「QuickTime VR Authoring Studio」というソフトウエアを販売。デジカメで撮影した数枚の写真をつなぎ合わせて一枚のパノラマを作成するというものでした。

カメラで複数の写真を撮影してつなぎ合わせるため、つなぎ目がきれいにつながるためにカメラを三脚に設置する方法、撮影時の設定、つなぎ合わせる時のテクニック等とにかく職人技を必要とするのが玉にキズ。今から10年ほど前、これらに加えてマンフロットの専用雲台とヘッドを三脚につけると相当重かった(しかもかなり高価な)システムを抱えて歩き回ったことを懐かしく思い出します。



シータの特徴は、かつては職人的な様子が強かったパノラマ撮影が、手のひらサイズのスティック型ユニットにすべて収まってしまったということ。「スナップ感覚で撮れるパノラマ」と言うのは簡単ですが、意外に複雑なパノラマ撮影を手軽にするためには、様々な工夫があったのではないかと想像します。

シャッターボタンを1回押すだけでパノラマが撮れる「スナップ感覚」のカメラ本体にはディスプレイはありません。その場で結果を見るためにはスマホと組み合わせ、シャッターを切って10秒ほどするとWifi経由でデータが転送され、手元の画面にパノラマ写真が表示される仕組みになっています。スマホを持たない場合は、パソコンに画像を取り込んでパノラマ写真を作成することもできます。



実際使ってみると、個人的には指が写ってしまう手持ち撮影よりもスマホとWifiで繋いでワイヤレスでシャッターが切れる機能が気に入っています。そのためには三脚やスタンドなどが必要で、こういう形で地面に立てるとやはりちょっと目立つので撮影の際には周りの環境に注意が必要です。上下左右360度がシャッターを一回切るだけで撮れる便利さ、手軽さは言うまでもありませんが、情報量が多いので写したくないものや写ってはいけないものなどシャッターを切るタイミングにはそれなりの配慮だったり経験が必要だと感じます。新しいコンセプトのカメラですから、いろいろと使ってみないとわからない部分もあるでしょう。

ただ、室内などの空間を全部見せることができるパノラマは圧巻で、上の写真は清洲橋のたもとにある「タロス」という古着屋さんの協力をいただいて撮影させてもらった時に撮ったものです。スタンドでシータを固定して隠れたところからWifiでつなげたiPhoneからシャッターを切るという方法で、見せたいものをきちんと表現できました。

東京の最後の桜ですね(^^) #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA


気になる仕上がりですが、光が充分にある晴天の屋外ではなかなか奇麗な画が撮れます。

タロスさんのライブステージ by RICOH THETA - Spherical Image - RICOH THETA


一方で光が少ない屋内ではノイズが目立ち、ざらつきが気になります。この辺はユーザーからのフィードバックに対してアップデートで対応が始まっているようなので、今後の展開に期待したいところです。公式ウエブサイトではブログに貼付けた際のズーム率の変更ができないわけですが、別なサービスを使うと表現方法にも幅が広がるようです。



パソコンでデータを取り込んでからアップすることができますので、画像ソフトで多少修正してアップすることで多少の画質改善は可能。スティッチ後のデータ(JPEG)にアクセスできるのは、奇麗さや精度を求める場合には大変ありがたいオプションです。この手のカメラはユーザーが独自にカスタマイズできることもファン獲得の条件になりますが、行き過ぎるとマニアだけのカメラになってしまいますので、その辺のバランスは難しいところでしょう。

最初にプレスリリースを見た時に、ガラスの球体に地球が収められた「モリト・スペース」のことを思い出しました。上下左右360度の空間情報というカテゴリーはこれまでの写真という表現の範疇を越えるものがあり、パソコンのモニターというスペースを越える表現方法も含めて新しい気づきが起きる可能性も秘めています。



特にコンパクトにまとまった携帯性については、大きなシステムを持ち込むことができない極地や過酷な条件での撮影を実現するものとして注目されると思います。将来的にはこうした撮影現場にマッチした、より解像度が高く細かな設定ができるヘビーデューティーなユニットの存在、あるいはよりコンパクトでユニークなユニットに期待が高まる可能性も否定できないと、個人的には考えます。気軽な街歩きでは、GXRにA12ユニットを二つ、加えてシータと三脚などをバッグに放り込んでというスタイルが定着しています。



仕事現場では取り回しという点でD3Sのホットシューに立てるのが良く、試し始めています。立ち止まって周りを見回してからシャッターを切るというスタイルではなく、D3Sで撮影しながらTHETAでもシャッターを切るという違ったスタイルでの撮影になりますので、慣れるまでにはまだ経験が必要なようです。



気になるバッテリーの持ち具合ですが、購入後すぐフル充電して10日間で合計74ショット。
ほぼ100%iPhoneからのリモートシャッターで、バッテリー残量がなくなるとシャッターは切れるもののiPhone転送中「ピピー」という大きな音とともに電源落ちという状況になり、iPhone側にはエラーメッセージが出ます。「撮れていないかな」と焦りましたが、シャッターが切れた段階でデータは本体に入り、転送だけがエラーになっていました。後ほどパソコンから画像を取り出して処理することで事なきを得ました。

バッテリー残量を確認しなければ、と思わせないくらいの長持ちだと思います。調べたら残りが30%になると電源ランプが点滅するそうです。携帯型バッテリーでの充電も含めて、次回はこの辺を気にしてみたいと思います。

公開のためには、シータの公式サイトにFacebookのアカウント経由で登録する(無料)ことでFacebookとツイッターにリンクを上げることができ、ブログパーツも用意されていますので、思いもよらない表現方法に出会えるのが楽しみですね。