トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
自己紹介はこちら

2013年8月26日月曜日

カナダでは「夏のキャンプ」も楽しい

4917914306_73b0ce3663_o 私はいわゆるアウトドア派やキャンパーではないのですが、小学生の頃から「夏と言えばキャンプ」という生活のスタイルでした。今もあるかどうかわかりませんが、日光の山の中にあるキャンプ場に、10数人のグループの一人としてでかけるのが毎年夏の恒例行事。今から45年ほど前のことになります。

1)キャンプのしおり作り(スケジュールや地図、注意事項やキャンプソング)
2)テントの張り方を練習
3)地面にかまどを切って飯ごう炊爨(すいさん)の練習
4)おもなキャンプソングの練習(振り付き)
5)自分が食べる分の食料の調達(お米と野菜中心)

ひと口にキャンプと言ってもこれだけの準備が必要で、1カ月前くらいから皆で集まっては練習や打ち合わせをする、というのが恒例でした。私はプログラムというより食事の準備に興味があり「飯ごうで旨い米を炊く」方法の会得が毎年の楽しみでした。火加減と飯ごうを火から下ろすタイミング、ひっくり返して木でたたく強さやむらしのタイミングなど、試行錯誤をしたものです。
「自分が食べる食料や着替えをリュックでしょって行く」というのも新鮮でした。
電車やバスを乗り継ぎ到着したキャンプ場では、いかにも山男ふう、髭もじゃの管理人さんから薪を買い、場所を教えてもらってテントを立て、決められた場所にかまどを切るところからキャンプは始まります。
この時にはじめて経験したことがあります。

1)知らない人にもちゃんとあいさつをする
2)時間厳守
3)ゴミを極力出さない
4)おかわりは周りを見て、必要なぶんだけ。食事は残さず、洗う手間を極力少なくする
5)プログラムの準備、食事の後片付けなどは皆でやる

それにしても、ご飯を炊き、おかずを作り、かたづけを毎日3回するというのは忙しい。。。水はいちいち汲みに行かなければならないし、変わりやすい山の天気、大雨が降ればテントの場所を変えなければならないし、薪が湿ったら火はつかないからご飯が炊けないし、ある年などは木の根元にテントを張ったもんだから蛇が出てきたりしてびっくり。「キャンプは忙しいんだ」ということを知りました。当然お風呂やシャワーはなく、夕方に湖に飛び込んで「はい、おしまい」でした。
いろいろ思い出があるわけですが、なかでも最終日の「キャンプファイヤー」は毎年の楽しみでした。燃えやすい木の選び方、組み方、火の付け方やキープの仕方という基本から始まり、1時間ちょっとのキャンプファイヤーのストーリーやプログラム(歌や踊り)づくりも見よう見まねで学んだ記憶があります。私はどちらかというと、歌や踊りというよりもキャンプファイヤーそのものに関心があり、飯ごうの時と同様、どうやったら綺麗な火が最後まで保てるかが興味の中心でした。それは今も変わりません。

ちょっと間があいて大人になってからリーダー的な形でキャンプに参加するようになると、会場は日光から野尻に移り、テント式ではなくキャビンタイプの施設に変わりました。「キャビン」というのは山小屋風の建物のことで、中に入ると木製の「バンクベッド」と呼ばれる簡素な2段ベッドがあり、グループに分かれ寝起きをします。食堂は施設の中央にある管理棟の隣にあり、食事は毎回ここで済ませることができるため、テント設営と飯ごう炊爨をしなくなった分、プログラムに多くの時間を割くことができます。(写真はYMCA Geneva Park)

4917313117_6e98f8d577_o 食事は基本的には一皿に乗る分量のもの。
話は違いますが、大学2年生の時にロスアンゼルスに演奏旅行に出かけた時、滞在したUCLAの寮の食事も同じスタイル。お皿を持って前菜、メイン、デザートと順番に盛ってくれるのですが、お皿はどんどん重くなって行って最後に恰幅の良い黒人のおばちゃんに「デザート?」と睨まれて「イエス」と言うと、あんまぁーいケーキをスプーンで「どさっ」とのっけてもらったことを今でも思い出します。
4917314455_6438277fc8_o
施設が整っていても食前の感謝の歌を歌い、全員で「いただきます」と言って食べるのはテントでのキャンプと一緒。お皿はへらを使ってきれいにしてから戻すとか、テーブルに置いてある塩こしょうなどは所定の位置に自分たちで戻す、テーブルを拭くなど、基本的なルールは一緒。私は置かれたバターを最後にへらで平らにするのが得意で、毎朝十数個のバターの入れ物を集めては平らにする「バター職人」と呼ばれていました。いまだに家でも「なんでマーガリンを使ったあとに平らにしないんだろう・・・」と、直すことがあります。
日中はセミナーやハイキングが中心ですが、夜は屋外での星空観察や屋内でのゲーム大会、そして最終日の夜に行われるキャンプファイヤーが全日程のクライマックスなのも同じ。特にファイヤーが終わった後に火を囲んでいろんな話をする、というのが最も重要なイベントでもありました。(写真はRyde Lakeの食堂と朝食)

Geneva Park 2009
日本でこんなことをしていたので、こちらに移って来てから夏になると「カナダではどうかな?」と思っていました。妻も私と似たり寄ったりの経験をしてきているので、トロントでの暮らしに慣れてくると「カナダでも夏にキャンプに参加できたらいいのにな」と考えるのは自然な流れ。そのタイミングで、長男の通う小学校の友達(カナディアン)のお母さんから、「夏には毎年ここに行くべき」とおすすめの場所を紹介していただきました。(写真上はYMCA Geneva Park キャンプ場)

期待して出かけてみると、昔懐かしいキャビンタイプの湖畔にあるキャンプ場。おそらく日本人では私たち家族が最初ではないかと思われるほど、周りは全員カナディアン。良く考えてみれば、軽井沢や野尻といった避暑地はアメリカやカナダの宣教師たちとの関わりの中で生まれたわけですから、私たちが若い頃に経験したキャンプ場がこちらにないはずはありませんよね。トロントでは「コテージ・カントリー(Cottage Country)」と言って、ダウンタウンからだと車で3〜4時間ほど北に広がる湖や森が多い地域にはたくさん別荘が建てられている一帯があり、キャンプ場なども点在しているというわけですから、東京の事情とあまり変わらないと言えますね。

Geneva Park 2009 この時から息子達が高校に通うようになる頃まで7〜8年は、YMCAキャンプ場(YMCA Geneva Park)で、夏を過ごすのが毎年の恒例行事になりました。湖畔を囲むように並んだ簡素なキャビンで気の置けない友人家族と共に寝泊まりをし、キッチンやキャビンの前でバーベキューをし、空いた時間はアクティビティーに出かけるという「夏のキャンプ暮らし」スタイルが始まりました。噂を聞きつけて徐々に子供の数が増え、さすがに食事の準備にてんてこ舞いとなるに至り数年前に打ち止めになってしまいましたが、楽しい思いでばかりです。

Geneva Park 2009 ここの予約は半年前で、基本は1週間。長い人は2〜3週間過ごす家族もいて常連さんが優先されるため、予約がとりにくいのも中止理由のひとつではありました。実際にスケジュールの都合で予約が取れない年もありました。もう一つ、キャビンの代金は最低でも2家族でシェアしないと割高なこともあります。
それでも魅力は、おいしい空気と豊かな自然に加えてのびのびした環境。湖を中心としたアクティビティーではカヤックやヨットの講習があり、テニスやバスケットコートなどはすべて無料。当時小学生だった息子達は、自転車を持ち込んで森の中をかけずり回っていたのを思い出します。夕食後にはたわいもない四方山話で過ごすことが楽しみで、思えばあの時は同じような家族構成を持った参加者には共通の話題も多かったようです。

夏に行われるサマープログラムの子供キャンプはもっとハードなものもあり、息子達が中学生の頃に一度だけ1週間のキャンプに送り出した年がありました。今でも忘れないのですが、迎えに行ったら泥だらけで帰って来て、着替えが入ったリュックの中も泥だらけ、妻は「これは洗濯しても絶対きれいにならない」と言って想像もできない色に変色した靴下を捨てていました。。「こんなキャンプは2度といやだ・・・」と言っていた息子達も、リーダーのお兄さんにかわいがってもらい、大自然の中楽しい思い出ができたようです。

4917319611_8fb468b93b_o YMCAに取って変わったのが、同じような時期に似たような場所で行われていた「家族キャンプ」。
ここはCGITというガールスカウトの養成所から始まったキャンプ場(Ryde Lake Camp)。YMCAより規模は小さいものの自然がいっぱいで、魚釣り(要ライセンス)やカヌー/カヤックが乗り放題とありとても良い場所です。
縁あって私たち夫婦がキャンプリーダーになった年には、今まで行われていたプログラムを全部キャンセルして「ただ自然と遊ぶ」ことがメインにするという快挙? も。
いつもリーダーをされているご夫婦が突然来られなくなったという事情もあってのことですが、これが楽しかった。以降このCGITで行われる家族キャンプは「全体プログラムは少なめ」で、皆がそれぞれ責任を持ち、思い思いに週末の3日間を楽しむという流れになっています。

その中でも続けて行われて来たのが、最終日の「キャンプファイヤー」。
ここ数年プログラムの準備や司会をしている妻が参加ができなかったため、今年は担当を若者たちにバトンタッチ。これまでの経験と記憶をたよりに準備をし、参加者のサポートもあり楽しいキャンプファイヤーができました。
ヒヤヒヤしましたが、口も手も出さずにいると上手に役割分担ができていて、恒例のマシュマロ焼きまでいつも通り行い、楽しい最終日の夜だったようです。知らず知らずのうちにこういうキャンプの伝統は受け継がれて行くものですね。

4917313625_dd228ba2e4_o4917913080_57a6aa7622_o参加者は、私たちの子供たちがお世話になった「はこぶね」という保育施設(今は主催されていたご夫婦が引退したため閉園)に通っていた卒業生の家族が中心。もともとはキャンプ場のシーズン最後に行われる週末3日間だけ行われる「家族キャンプ・プログラム」に合流していたのですが、毎年60名以上の参加者があるため、ある時期からは私たちのグループが貸し切りとなりました。非営利団体で維持費やメンテナンス費などが沢山かかるキャンプ場にとってみれば、シーズン終了間際に施設がほぼ満員となる我々のような団体は利があるわけです。

ともすれば「お金を払っているのだから、サービスを受けるのは当たり前」と考えがちですが、かなりな低料金という設定のうえ、スタッフはもちろんすべてボランティアであるということを理解して、「自分でできることは積極的にする」のが暗黙のルール。
具体的には前述した「食事を残さない」など最低限のマナーはじめ、キャビンの掃除、ゴミを出さないように注意する、水を大切に、など日本とカナダでは共通点が多い。必要に応じて現地でドネーションをし活動をサポートするなど、協力の精神も大事なこととして守られているのは嬉しい限りです。

毎年とりまとめを行うボランティアのお世話係の方には負担がかかりますが、「皆で助け合う」ことでこれまで事故もなく楽しいキャンプが続いていて、最近では評判を聞いた一般のご家族の参加が増えているようです。毎年春になるとその年の幹事さんが決まり、5月頃には口コミで申し込みが始まります。


今年はお天気が良く、初日の夜には美しい星空を見ることができました。キャンプ場は森の中にありますので、キャビンを一歩外に出ると文字通り「降ってくるような星」を見ることができます。

10月5日(土)には、午前10時〜午後4時までオープンハウスが行われます。紅葉の美しい季節、もしお天気がよければ、今年はぜひ足を向けてみたいと思っています。
http://www.rydelakecamp.com/events.html