トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2013年6月7日金曜日

憧れのカナディアン・ロッキー!(1)プロローグ:五感を研ぎすまして自然を楽しむ旅のこころを学ぶ

Jasper / Bighorn Sheep
PROLOGUE:BEAUTIFUL NATURE AND PEOPLE OF CANADIAN ROCKY!
書きたいことが山ほどある、人生初「憧れのカナディアン・ロッキー」。
VIA鉄道の車窓から眺める雪を抱いた山脈は、シュガーが振りかけられたスポンジケーキに見えてくるから不思議です。ちょこんと帽子をかぶったみたいに雲がかかったロブソン山は、カナディアンロッキーで最高峰の険しさ。世界遺産に登録されているカナダを代表する雄大なロッキー山脈を車窓からこの目で見た感動をそのままに、ジャスパーではカナディアン・ロッキーを肌で感じる3泊4日が始まりました。(写真はツアーバスから見かけた鋭い角に似合わない優しい目が印象的な「Bighorn Sheep」)

Jasper / columbia icefield tour
最近「旅の楽しみって何だろう」と考えることがあります。定番の「心に残る風景」「美味しいごちそう」という2大テーマに加えて、最近では「自分だけの思い出ができる体験」も静かなブームになっているのでは? (写真はコロンビア大氷原の雪解け水をボトルに入れている所。このボトル、旅の直前に東京で行われた「夏オーロライベント」でアルバータ観光局からお土産としていただいたもの。はるばる東京経由で雪解け水をたっぷり入れて、今は我が家の冷凍庫で妻の帰りを待っています)

Jasper / columbia icefield tour
まずご紹介したいのは、今回の現地ツアーガイドとして私たちについてくれた「SUNDOG TOURS(http://www.sundogtours.com)」のウエスさんとの会話。
彼はジャスパー国立公園で30年間以上勤務した後リタイアし、現在はドライバー・ガイドとして活躍する大ベテラン。地元では知らない人はいないくらいの有名人にして、ここを訪れる旅行者から絶大な信頼を受ける水先案内人。ラッキーなことに彼と道中何度か話す機会があって、「自分だけの思い出ができる体験の旅」って何? という話に花が咲きました。

彼曰く、「オーストラリアからの旅行者と面白い経験をしてね。夜のツアーっていうのがあるんだけどね」と。以下こんな会話です。

「夜のツアーって、ジャスパーを?」
「そう。バスでね。もちろん注意深くルートは選ぶんだけど、夜に活動する動物を探しに行くんだ。動物の骨を持ってね〜」
「動物の骨! その骨、どうするんですか?」
「この辺で生活している動物の説明のために持って行くんだけど、彼らは説明が終わったら貸してくれっていうので、渡したんだ。そうしたら、それをかぶって記念撮影! 楽しんでたよ。」
「周りは真っ暗でしょ?」
「いやいや、そんなに暗くならないうちのツアーだから。でもね、骨を持って記念撮影をしていたのは、見ていて楽しかった。」
「そのツアーってどれくらいの時間?」
「2時間くらいかな」
「え、2時間も何にもない所をドライブ・・・」
「まあ、何もないっていうか・・・。夕暮れのジャスパーは奇麗だよ。自然はいつだってそこにあるし、空気は澄んでいるし、耳を澄ませば動物の鳴き声だって聞こえることはあるし、楽しもうと思ったらいくらでも楽しいんだよ。」

Jasper / Bear
ウエスさんの話しにすっかり引き込まれてしまい、特にバスの出発を待っている間や食事中に彼をつかまえては豊富な経験に基づく貴重なお話を聞かせてもらいました。話していると、なんだか「本当にジャスパーが好きなんだな、この人は」っていう感じがして嬉しかったです。バンクーバーは都会的な見どころが一杯、でもジャスパーは正反対。ツアーバスの窓の外をふと見ると、熊だってのんきに歩いているんですから。。。「そこかしこにある自然が見どころ」、「見せられる観光だけではなく」自分の五感を研ぎ澄まして楽しまないともったいない!

Jasper / columbia icefield tour
実は滞在中は、厚い雲がたれ込めていたり雨が降ったりとあいにくのお天気。楽しみにしていたコロンビア大氷原のツアーでは上の写真のようになんと雪が降りしきり、厚い雲でまわりは全く見えない状態! それでもバスの中で思わず口に出た「Ah, Merry Christmas!」。そう、針葉樹に降り注ぐパウダースノーは、クリスマスツリーそのものだったのです! 
もしウエスさんとこのような話をしていなかったら、「ジャスパー、天気が悪くて残念だったな」という気持ちになってしまったかも。

Jasper Tramway
20130525_153022
Jasper / Sunwapta Falls
「雨だって雪だって、その時にしか見ることができない風景の一つ」。長年の経験からそう言い切る彼の言葉に、救われました。その言葉を信じて雨上がりのテラスで食事をしていると、突然照り始めた太陽に照らされて立ち上る湯気が輝く瞬間が目に入ってきます。厚い雲に覆われ何も見えない展望台でふと欄干を見ていると、したたり落ちる水滴の音が聞こえてくるような気がしてくるから不思議です。夢中で何もない場所に何枚もシャッターを切っている姿を見ていた仲間が、「何撮ってるんだ?」とカメラのモニターを覗き込むと、そこには水がはねる瞬間を捉えた写真が・・・・。

Jasper / icefields parkway
Jasper / icefields parkway
厚い雲の切れ目から見えるロッキー山脈。人類が始まるずっと前、何億年もかけてできあがった自然の不思議。ロッキー山脈に向って緑の中を自転車で走る人たちの姿を見ていると、本当にここは何でも受け入れることができるスケールの大きさがあるんだと、ただただ感動してしまいます。ウイニペグ博物館でのこと、地質の解説コーナーでは太古の昔ここは海の底であったとか。不思議な生き物が海中を泳いでいて、今も化石の中で当時を物語ります。なんだか本当に知れば知るほどロマンチックですね。

Jasper / Sunwapta Falls
こんな風に過ごしたジャスパーでの4日間。山あり川あり、滝あり渓谷あり、晴れ間あり雨あり、5月の気まぐれな天候を象徴するような雪までオマケについた盛りだくさんな体験をさせてもらいました。詳細については明日から数回に分けて書いてまいりますが、まずは4日間撮影した写真のスライドショーからジャスパーの雰囲気を味わっていただければ・・・・どうぞご覧ください。





最後にウエスさんが私に、
「9月に奥さんと一緒にジャスパーに戻っておいでよ。とっておきのルートを教えてあげるから・・・・」
いやいや、、、、これには参った。本当にその気になってしまった。。