トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2013年4月22日月曜日

まもなく開花が予想される、トロント桜

RICOH GXR A12 @ SAKURA HIGH PARK 2011
4月も後半になると、「今年のトロント、桜の開花はいつかな?」と毎年話題にのぼります。日本人の私たちはもちろんのこと、カナダ人の間でも桜の開花は注目の的。桜の美しさに魅せられる人は国境を越え、「SAKURA」は世界に知れ渡っていると実感するこのごろです。

RICOH GXR A12 @ SAKURA HIGH PARK 2011
特に毎年美しい桜が咲くことで有名な「ハイパーク」は、桜だけではなく四季折々の美しい風景が楽しめるとあって、トロント市民の憩いの場として多くの人が集まってきます。この時期英語のウエブサイトでも「Cherry blossoms」のアップデートが随時行われる力の入れよう。(http://www.highparktoronto.com/cherry-trees.php)2013年の今年は、今週末の4月27日(金)からそろそろ咲き始めるのではないかと言われています。

High Park @ Toronto 2009 Spring
四季折々の
High Park @ Toronto 2009 Spring
豊かな自然が
High Park 0410
身近に楽しめるハイパーク。
High Park 2009 Fall

Highpark Toronto in Autumn-01
秋はこんな紅葉で、一面が色づきます。

RICOH GXR A12 @ SAKURA HIGH PARK 2011
RICOH GXR A12 @ SAKURA HIGH PARK 2011
ハイパークは、四季折々に豊かな自然を楽しむ事ができる場としてトロント市民に愛されている場所ですが、この公園の起源を尋ねると、1812年の米英戦争後に平和を確立した時代にまで遡り、1836年にイギリス人John George Howard氏がこの一帯を私邸のために購入したことから始まります。「Colborne Lodge」と呼ばれる彼の私邸は、現在も当時そのままに残されています。ここで約1時間のツアーが行われていて(有料)、私邸を見て回ることでかつてのトロントと市民の暮らしぶりについて知ることができます。2011年の秋に訪れたブログもあわせてご覧下さい。
http://blog.makotophotography.ca/2011/10/19.html

ハイパークで桜をめでることができるポイントは3カ所。一つは、ブローアストリートの正面入り口を入って徒歩数分、左側に広がるフィールドに植えられた桜。そこから坂を降りて「Grenadier Pond」と呼ばれる大きな池に至る桜並木は有名ですね。3つ目は公園東側のプレイグラウンド近くにあります。


http://www.highparknaturecentre.com/high-park-cherry-blossom-watch/map/

Cherry Blossoms @ High Park 05/02
特に「Grenadier Pond」に至る桜並木のちょうど中間ほどのところには、この桜の由来を示す記念碑が静かに置かれています。それを読むと、トロントに植えられた桜の種類はソメイヨシノ。記念碑に書かれている文字を読むと、次のように書いてあります。
“THIS JAPANESE CHERRY TREE(SOMEIYOSHINO PRUMUS YEDONENSIS MATSUM / ONE OF 2000, PRESENTED TO THE CITIZENS OF TORONTO BY THE CITIZENS OF METROPOLITAN TOKYO / HIS EXCELLENCY TORU HAGIWARA, JAPANESE AMBASSADOR TO CANADA and HIS WORSHIP, NATHAN PHILLIPS Q.C., MAYOR OF THE CITY OF TORONTO ON WEDNESDAY, APRIL 1st, 1959)”

トロントの桜の由来を調べると、カナダに移住した最初の日本人(私たちの先輩)の皆さんと深いつながりがあることがわかります。
かつてバンクーバー周辺に住んでいた「一世」と呼ばれる日本人は第二次世界大戦開始と共に財産を没収され、捕虜となりキャンプ生活を強いられました。戦争が終わり解放された人々の中にはカナダを西から東へと横断し、ついにトロントまでたどり着き新たなスタートを始めた方々がおられました。その際に、トロント在住のカナディアンの支援によってトロントでの生活ができるようになったのだそうです。後年、このことを感謝するために、東京都から送られた桜がここに植樹されたのですね。

High Park @ Toronto 2008 Spring
High Park @ Toronto 2008 Spring
私がトロントに来たての頃に出会った、当時すでに80歳を越える一世の方々に戦後の話をお伺いすると、皆さん口々にその時に一番親切にしてくれたのがトロントに住むユダヤ人であったという話をする方が多かったと言っておられました。もしかしたら、歴史の中で似たような境遇に会っていた「一世」の皆さんに、親近感を覚えて助けの手を差し伸べていたのかも知れないと、そのようにも思います。「感謝」という暖かい心の交流のしるしとして桜が選ばれ、いまも桜の花びらが多くの人の目を楽しませていることは、トロントに暮らす日本人として誇りに思う瞬間でもあります。

Cherry Blossoms @ High Park 05/05
Cherry Blossoms @ High Park 05/05
その後1984年になって、新たな桜の木が公園東側のプレイグラウンド近くに"YORIKI AND MIDORI IWASAKI"の名前で植えられ、現在も美しい桜の花を咲かせています。

この辺の事情も含め、最近まで行われていた「桜プロジェクト」については、外務省の「北米総領事便り」に詳しいので、こちらもご覧下さい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/staff/hokubei/h_48.html