トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2013年3月25日月曜日

カナダ人レーサーが優勝! ホンダインディー開幕戦

Honda Indy Toronto 2010_DAY2
今年のインディー・カーシリーズ開幕戦「ホンダインディー・グランプリ」は3月24日(日)、フロリダ州セント・ピータースバーグの市街地特設コースで行われ、今年の19戦が始まりました。記念すべきオープニング・レースの結果ですが、鮮やかなグリーンのGoDaddyカーに乗ったカナディアンのドライバー、ジェームス・ヒンチクリフ(James  Hinchcliffe/Andretti Autosport/26歳)が、4位スタートながら見事な巻き返しで110周を走り切り、1位でチェッカーフラッグを受けてカナダに幸先の良いニュースをもたらしました。

トロントではテレビ中継があったので、じっくり観戦。公式ハイライト映像がアップされていますので、ご覧ください。

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この日はクリーンなスタートの後オーストラリア出身のドライバー、ウイル・パワー(写真上:Will Power/Team Penske/31歳)がトップを独走、佐藤琢磨に続きジェームス・ヒンチクリフ、シモーナ・デ・シルベストロ(Simona de Silvestro/KV Racing Technology/24歳)が追う序盤戦。しかしスコットランド出身でインディー500、ホンダインディー・トロントでも優勝経験のあるダリオ・フランキッティー(写真下:Dario Franchitti/Target Chip Ganassi Racing/39歳)が18周を終わりタイヤ交換の直後に壁に接触してリタイアとなった中盤からは、いくつものドラマが生まれました。
この日エントリーした25台中完走できたのは17台。合計8台のマシン(5台が故障/3台が接触事故などで走行不能)は完走できませんでした。中継でも、途中でアクセルがうまく動かない、クラッチがつながらないなど不測の事態が起こった様子が伝えられ、過酷な条件の中で「何事もなく完走する」ことそのものが難しいのだと実感させられるシーンが何度もありました。
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優勝したヒンチクリフ(写真上)がインタービューで「ピット・ストップが勝負の鍵だった」と言っていましたが、車が速いということ以上に、タイヤの選択や110周を走りきる戦略、ピットインのタイミング等様々な要因がすべてうまくいって初めて勝利に結びつくもの。
ポール・ポジションからスタートしたウイル・パワーは、これまで30回のポール・シッターと抜群の成績と実力を誇りながら16位に沈み、「いくつかのミスが重なった」と悔しさ一杯のコメントを残しています。

Indy Toronto 2009 - Day 3
特に驚いたのは、JRヒルデブランド(JR Hildebrand/PANTHER RACING/25歳)がレースが後半に差し掛かったフルコース・コーション(イエローフラッグが振られて全車追い抜き禁止となり、再スタートを待ちながら周回をしている状態)中に、ウイル・パワーの車に追突。そのまま乗り上げた後に壁に激突するというアクシデントに見舞われました。
中継のアナウンサーが「レーサーはステアリングに表示される様々な情報に加えて、無線でチームと交信するなど沢山の作業をこなしているので、おそらく前方不注意だったのではないか」とコメントの通り、ヒルデブランドは直後のインタビューで「Super Sorry…」とウイル・パワーに謝罪していました。
フルコース・コーションについては、ホンダの日本語ウエブサイトに「インディーを楽しむための10 STORIES」というページがあり、分かりやすくまとめてありますのでぜひ参考にしてください。
http://www.honda.co.jp/IRL/spcontents2009/09IRLstories/07.html

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ドライバーがモニターする情報についてですが、チャーリー・キンボール(Charlie Kimball/NOVO NORDISK CHIP GANASSI RACING/28歳)は他のドライバーとまた違う事情を抱えています。彼は1型の糖尿病を患っているためにセンサーを身につけていて、血糖値もチェックしているそうです。彼が言うには、車の油圧やスピード等を確認するのと同様で、常日頃から食生活に注意することとインシュリンが管理されているので、レース中は体のことを心配する必要はないようです。先日来ロンドン(オンタリオ州)でバンティング・ハウスの取材をした時のことを思い出して、確かに糖尿病は克服されているのだということを感じました。彼のNYタイムスのインタビュー記事は興味深いので、ぜひご覧ください。
http://www.nytimes.com/2013/03/24/sports/autoracing/in-indycar-raing-in-the-streets.html?ref=global

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日本人ドライバーとして唯一参戦している佐藤琢磨(今年は写真のABCカー)は予選で好記録を出し、2位でスタートながら徐々に順位を落とし、それでも最後の巻き返しで8位フィニッシュ。スタート時に佐藤琢磨の後ろを走っていたスイス出身の女性ドライバー、シモーナ・デ・シルベストロは手堅く3位をキープするも、残り2週の第一コーナーで後続のマルコ・アンドレッティらに抜かれ6位でレースを終えました。特に後半、燃費を計算しながらおとなしい走行に徹する中でタイヤに何かの問題が起きていたようで、後ろをピッタリとマークしていたマルコ・アンドレッティー(Marco Andretti/Andretti Autosport/26歳)の猛追に、コーナーでわずかに左に振れたインを突かれ抜き去られてしまったのは、ほんのわずかなミスも許されないレースのドラマチックな瞬間をかいま見る思いでした。

こうして始まった今年のインディー・カーシリーズ。1カ所で2試合が行われる今年初めての試み「ダブル・ヘッダー」の会場にトロントが選ばれ、7月13日(土)と14日(日)は白熱したレースを2回も見られちゃいます。
ホンダインディー・トロントの詳細については下記のブログもご覧ください。
http://blog.makotophotography.ca/2013/01/blog-post_10.html

次戦は4月7日「Honda Indy Grand Prix of Alabama」。またどんなドラマが生まれるのか、今から楽しみです!

インディー・カーシリーズについて:http://www.honda.co.jp/IRL/
IZODインディー公式ウエブサイト:http://www.indycar.com
ホンダインディー・トロントについて:http://www.hondaindytoronto.com

(写真はすべて昨年のホンダインディー・トロントで撮影したものです)