トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2013年2月9日土曜日

「バドワイザー・ガーデンズ」でアイスホッケー撮影

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ここのところ撮影でロンドン(オンタリオ州)に通っていますが、今回縁あって許可がもらえたのは地元アイスホッケー・チームの「London Knights(ロンドン・ナイツ=写真のグリーンのユニフォーム)」。昨年からプロ・チームのトロント・マーリーズを撮影していますが、今回のチーム「ロンドン・ナイツ」は「ジュニア・リーグ(アマチュア)」の中でメジャーと呼ばれるOHL(オンタリオ・ホッケーリーグ/全部で20ある)所属のチームになります。とにかくカナダのアイスホッケーは裾野が広いので大変です。。
現在は9月〜3月のレギュラーシーズン(68試合)のまっただ中。ここで好成績を残しNHLのドラフト(NHL Entry Draft)で指名されると、いよいよプロへ。子供の頃から厳しいトレーニングをつんできた選手がプロに上がる最後のステップとなる登竜門、という位置づけです。
http://www.londonknights.com/


ロンドン・ナイツの本拠地は、3月に行われるフィギュアスケート世界選手権会場として注目を集める「バドワイザー・ガーデンズ」。場所はダウンタウンの中心にあって、この手のアリーナとしてはアクセスが抜群。もともとロンドンのダウンタウンは徒歩15分圏内にホテルやアトラクション、観光案内所などがすっぽり収まるコンパクトな街です。そんな街の真ん中に、収容人員9,090人(ホッケースタイル)とジュニアレベルのアイスリンクとしては最大規模を誇る施設があるのですから、驚きです。この他ここはバスケットボール、コンサートでも使えるように合計4パターンの座席レイアウトがあり、多目的ホールとしても使用されています。

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観客席ですが、ロウワー・ボウルと呼ばれるレベル100、スイートルームとゴールを後ろ上方から眺める席があるレベル200、そこからさらに上のアッパー・ボウルと呼ばれるレベル300の3つに分かれています。一般の座席はコンパクトな少し固めのもの。特にレベル300はリンクを見下ろすようなレイアウトになっていて、一番上から見るとリンクまではかなり距離があります。
http://www.budweisergardens.com/seating


http://www.budweisergardens.com/seating

またここは、「National Basketball League of Canada」に所属するチーム「London Lightning(ロンドン・ライトニング)」はここを本拠地として使用。コンサートでは、女性ジャズボーカリストの第一人者Diana Krallによる「Glad Rag Doll World Tour 2012-13」(3月4日)、ブロードウェイ・ミュージカル「West Side Story」(5月26日)など、バドワイザー・ガーデンズはロンドンのスポーツ&エンタテイメントの中心といっても過言ではありません。
http://www.budweisergardens.com/events

これまでは建物の外観しか見ることが出来ませんでしたが、今回試合の撮影のために初めて中に入ってみると施設内は全体的に明るくてクリーン。メディアルームと2カ所の撮影場所を決められたエレベーターで移動するという形だったので施設そのものを撮ることはできませんでしたが、これまでトロントのリコー、隣町ミシサウガのハーシー・センター、ロンドンのさらに先ウインザーのWFCUセンターと見てきた感じでは、そのどれよりも規模が大きく、NHLクラスの施設としても通用しそうな、いわばトロントのエアカナダ・センターに雰囲気が一番近いという印象です。

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その理由の一つは、客席に入るとまず目につく天上からつり下げられた中央の高精細ディスプレイ。メジャー仕様の設備が迫力満点です。


この他各階の通路にはポップコーンなどファストフードや飲み物を販売するコーナーもあり、休憩時間にはビール片手に談笑する人々が溢れるおなじみの光景も見られます。
気になるフード系のお店は、220席あるレストラン「THE TALBOT BAR & GRILL」(レベル200)に加え、ビールやお酒のセレクションが豊富なバー「KING CLUB」(レベル200/TALBOTの隣)、「JACK DANIEL'S BAR」(レベル300)と充実。アリーナから10分ほど歩くと、19世紀に始まったカナディアン・ビールの老舗「LABATT」の工場がある土地ならではというところでしょうか。実は最近までここは「John Labatt Centre」と呼ばれていたのが今年になって「Budweiser Gardens」と改名したといういきさつがあります。
http://www.budweisergardens.com/

こうした豪華な施設で行われるジュニアのアイスホッケーの試合にどれだけの観客が集まるのだろうかと調べてみると、なんと昨シーズン(2011-12年)の平均観客数は8,953人! 他のOHL所属チームと比較するとダントツの集客を誇ります。今年度の記録には「9,046」という数字が並ぶところを見ると、連日ほぼ満員に近いファンを集めています。
人気の秘密は、まずは彼らの成績。ロンドン・ナイツは、昨シーズン(2011-12)「J. Ross Robertson Cup」を勝ち抜いたOHLチャンピオン。現在も西カンファレンスで39勝9敗で81ポイントを獲得し、首位を独走中の強豪チーム。アクセス抜群のゴージャスな本拠地に加え、チームも強いとくれば満員の集客も納得ですね。

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さらにロンドンに住む人たちが、地元から数々のプロ・アイスホッケー選手を輩出していることに誇りを持っている、ということにもロンドン・ナイツの人気の秘密がありそうです。

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例えば現在NHLメープル・リーフスで活躍中のNazem Kadriも、そのうちの一人(写真上)。彼はロンドン生まれで現在22歳。OHLのキャリアはキッチナー・レンジャーズ(2006-2008)からロンドン・ナイツ(2008-2010)に移籍し、2009年のNHLドラフトでメープル・リーフスからラウンド1/7位指名を受けました。トロント・マーリーズ(2010-12)での目覚ましい活躍が評価され、現在はNHLメープルリーフスの先発メンバーとして大奮闘中です。

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今注目されている選手といえば、リーグのトップスコアラー・ランキング第2位のSeth Griffith(20歳/Wallaceburg オンタリオ州出身/2012年NHLドラフトでBoston Bruinsから指名ずみ)と、同第8位のルーキーMax Domi(写真上:17歳/Toronto オンタリオ州出身)。

20130207_214118 「Domi」と聞いてピンとくる人はかなりのホッケー通。彼はかつてトロント・メープルリーフスで活躍し、喧嘩っぱやいことで多くのファンを魅了した「ファイター」Tie Domiをお父さんにもつ二世選手。
実は街で出会った人に聞くと、圧倒的に上の写真のドーミ選手の人気が高い。ロンドン・ナイツのギフトショップのお姉さんに「人気の選手は?」と聞くと「もちろん、Max Domi!」。宿泊したホテルのスタッフにも声をかけられてアイスホッケーの話題になると、やはり「Domi!」。今回撮影のコーディネートをしてくれたナタリーさんも「Domiは次のドラフトで一位指名を受けること間違いなし!」と言わせるほどのリーグ内でも折り紙付きのトップ・ルーキー。
昨晩のゲーム(対Sarina Sting戦)はオーバータイムで惜しくも敗れてしまいましたが、先取点はドーミ。スケートが抜群に早くプレーが機敏で、リンクに登場すると他の選手からも際立っているのが一目でわかるほどでした。
ジュニア・チームとは言え、あなどることなかれ。毎回9000人が集まるバドワイザー・ガーデンズでは、今まさに将来のNHLをしょって立つ選手が活躍中なのですね。

ロンドンのアイスホッケー・シーンはなかなかエキサイティングと感じました。