トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2012年5月13日日曜日

トロントの発祥をたずねる(1834年〜1845年)

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昨日は久しぶりに「トロント歴史散歩」。トロントがかつて「ヨーク」と呼ばれていた頃の時代を尋ね歩いていました。先日行ったヨーク砦の「Battle of York Day」は1812年のアメリカのカナダ侵略の歴史を今に伝えるイベントだったわけですが、まだまだ国境警備が整わず、イギリスの力を借りながらカナダが独立を果たして行った足跡を街に尋ねる。お天気が良かったので早起きして徒歩である場所に向かいました。それが「King&Jarvis」の交差点。

昨日の散歩のとっかかりとしてトロントの「市庁舎」がどこにあったのか? ということを事前に調べているうちに、この場所周辺にたどり着いたわけです。実はトロントの市庁舎は時代の変遷とともに4つの場所を移動していったのですね。

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今日の最初の目的地「St. Lawrence Hall(セントローレンス・ホール)」は、JarvisとKingの交差点南西角にあります。1793年にイギリスのJohn Graves Simcoe総督がYorkを宣言した時、北をQueen、南はFront東はDon川、西はYongeという大変こぢんまりとしたエリアを街として定めたもののまだまだ木がうっそうと生い茂り、大きな建物といえば議事堂(ParliamentとFrontの角、現在は1849年の大火で消失)と教会(St James)、Wharfと呼ばれる船着き場(現在のセントローレンス・マーケット南棟)、そしてこのセントローレンス・ホールが建てられていた場所にあったマーケット(現在のセントローレンス・マーケットの1ブロック北)があり、このマーケットにトロント市の最初の市庁舎があったのですね(1834年〜1845年)。トロントはここから始まったのです。




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当時はなんとオンタリオ湖畔は現在よりもずっと北、セントローレンス・マーケットの所にあったのだそうです。マーケット横の道路の傾斜をよーく見ると下り坂になっていますよね。坂の降りきった所が湖畔で、夜にはランタンをつけてサーモンを釣っては翌日にマーケットに出していたという記録が残っています。マーケットに地下(アクセサリーやらの売り場があるフロア)がある理由は湖畔からの浸水を防ぐためなんだそうで、マーケットより南のエリアは昔は湖で、後に埋め立てられて出来上がったというわけです。

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話をセントローレンス・ホールに戻すと、この建物のあった一角は草創間もないYorkの中心的な場所で、かつてはマーケットとして栄えていました。残念ながら1849年のトロントの大火はこの場所から起こり、このためにただでさえ小さい街の中心はすべて焼き払われてしまったのだそうです。セントローレンス・ホールは大火の翌年、1850年にYorkの再建の一環としてマーケット跡地に建てられ、その後長く著名人が集まるトロント社交の中心地としてコンサート等に使われました。現在ホールの前にある、当時をしのぶガス灯は、1841年当時主流であったオイル・ランプに代わりガス灯がトロントに設置されたことを記念するもの。この一角は当時最先端を行く中心地だったことを思わせます。

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威風堂々の入り口ですが、建物は当時をしのぶビクトリア調。

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ドアは重いのですが、中に入ることが出来ます。

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入って左手の壁には当時をしのぶ記念碑が設置されており、19世紀にYorkがここで始まった当時のことを忍ぶことができます。
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19世紀に書かれたセントローレンス・ホールと周辺を表す絵が飾られています。
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3階に上がると、当時そのままにホールが存在しています。現在は結婚披露宴やパーティー等のために貸し出されています。

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Yorkからオンタリオ湖畔を眺めた風景を描いた絵。なんとものんびりした場所だったのですね。Yorkの街の人口は1500人程度だったそうで、数は少ないように思いますが場所が小さいですからそれなりに栄えていたようにも思います。

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セントローレンス・ホールゆかりの当時の著名人の写真がずらりと飾られていました。

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カナダ国立バレエ団の創設者Celia Francaの写真が飾られています。この他に政治家やオペラ歌手など多彩な顔ぶれが並んでいます。

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窓からはセントローレンス・マーケットが見えます。
次回はこのセントローレンス・マーケット南棟に行ってみます。今回はショッピングではなく、ここに2番目の市庁舎が移動した足跡を尋ねる、そんな場所があるというのでそこを訪れてみたいと思います。