トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2012年4月7日土曜日

沿道を埋め尽くす人で溢れたイタリア街の「聖金曜日の行進」

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来週月曜日までイースター(キリスト教のお祭り)連休のトロント、基本的には「Happy Easter」なのですが昨日の金曜日はイエス・キリストが十字架につけられたことを覚える日。こちらでは「Good Friday(聖金曜日)」と呼びます。物語を知っている方はこの日が大変悲しい日であるということはお分かりでしょうが、大きな物語の中では「良きおとずれ」の物語の起点となる日として盛大にお祝いされています。世界的な習慣として行われている「Good Friday Procession(聖金曜日の行進、と訳してみました)」は、ここトロントでも行われました。(ルートマップはこちらから

この行進を主催したのはトロントのイタリア人コミュニティーの人々。調べてみると、イタリアからカナダへの移民は主にイタリア南部の人々を中心に19世紀後半に始まりました。当初はごく少数の人々であったようですが、その後二つの世界大戦をはさんで継続的にカナダにやってきたイタリア人は増え続け、2006年の国勢調査の結果によるとカナダで5番目に大きな移民グループとして数えられるまでになり、オンタリオ州全体には86万人が住む(主にトロント)と言われています。
このイタリアと言えば何と言っても大聖堂に象徴される「カトリック教会」の国。エルサレムから始まったキリストの弟子達の宣教活動は、一つは西(ローマ)へ、もう一つは東(ギリシャからロシア)へと伸び、カトリック派と呼ばれる宗派を形成したのは歴史で学ぶ所ですね。プロテスタント派が生まれたのはルネッサンスの時代ですから、そのずっと後です。

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トロントの行進は今年で50周年、起点となる主催者のカトリック教会(The St. Francis of Assisi) の前はすでに大変な数の人が集まっていました。ちなみにこのSt. Francis of Assisi(アッシジのフランチェスコ)という教会の名前は中世カトリックの修道士が由来。この人はカトリックと聖公会(イギリス独自のカトリック派)の両方から聖人と呼ばれ、特に「清貧」を強く打ち出しました。組織的に腐敗の色が濃かった当時のカトリック教会内部で目覚ましい活動を行い、多くの祈りも残されています。その中でも特に有名なのが、下記の「平和を求める祈り」です。(出典:女子パウロ会

神よ、
わたしをあなたの平和の道具としてお使いください。

憎しみのあるところに愛を、
いさかいのあるところにゆるしを、
分裂のあるところに一致を、
疑惑のあるところに信仰を、
誤っているところに真理を、
絶望のあるところに希望を、
闇に光を、
悲しみのあるところに喜びをもたらすものとしてください。

慰められるよりは慰めることを、
理解されるよりは理解することを、
愛されるよりは愛することを、わたしが求めますように。

わたしたちは、与えるから受け、ゆるすからからゆるされ、
自分を捨てて死に、
永遠のいのちをいただくのですから。

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はじめに触れましたがこの「行進」を支えているのは地元の敬虔なイタリア人クリスチャンの人々。数珠のようなものを一つ一つ数え、祈りと歌を捧げながら歩く姿が心を打ちます。撮影をしているとイタリア語が沢山聞こえてきて、2世紀に渡りカナダで暮らしてきたイタリア人コミュニティーに属する人々が、こうしたことを通して心の繋がりを守ってきたように思えてなりません。

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行進そのものは横断幕に物語の要点が刻まれ、それを追っていくとイースターの意味が分かるというもの。

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行進は教会を出発し、沿道を埋め尽くす人々が見守る中、トロントのダウンタウンのイタリア街(リトル・イタリー)の真ん中を進みます。

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明日はイースターですね。今年のトロントのイースターは桜の花の咲くイースターとなりました。