トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2011年12月9日金曜日

トロント初の日本酒醸造所「泉」で新酒を待つ

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今年の夏にDistilleryで見つけたトロントで地酒造りをしている「泉」(ontariosake.com/)、昨晩「Meet our Toji」イベントが行われることをツイッターで知り、ブログ(ontariosake.com/japanese)で見て、行ってきました。私も含めて6名、こぢんまりとした会でしたが、杜氏の高橋さんから自身がお酒の世界に入られた当時のことからはじまり女性杜氏として生きてきた現実、現在の酒造りまで約1時間、詳しくお話を聞くことができました。

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お酒は飲みますが、どうやって造られているかは知りませんでしたので、今回この「もろみ」というものを飲ませてもらってちょっとびっくりしました。杜氏の高橋さんが、日本の小さな蔵で「お米洗いから始めました」という言葉を聞いて「そこが始めなのか」と知ったぐらいです。

調べてみると、精米→洗米→浸積(米を水に浸す)→蒸米→麹(こうじ)→酒母(しゅぼ)→醪(もろみ)→上槽(じょうそう)→滓引き・濾過(おりびき・ろか)→火入れ→貯蔵(熟成)→瓶詰め、というように酒造りは進むのだそうです。ここではスペースの関係で酒母をつくらない「すっぽん造り」という製法を用いているそうで、その他にもこの地にあった様々な工夫が凝らされているようですが、「お米と水からすべて手作りで造るお酒」は「心でつくる」と語っておられたことがとても印象的でした。

この日私がいただいたいのは、今造っている新酒のための醪。甘みと同時にかなり鋭い酸味があり、言ってみれば白ワインの風味を思わせるものがあります。杜氏さんの説明によれば、「カナダらしい地酒」づくりを求めてこの味にたどり着いたということで、いわゆる「日本の日本酒」とは違った味の趣があると感じました。そこには、カナダで日本酒の酒造りをする杜氏さんの考えや目標があるのでしょう。

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途中で出てきた「酒粕ゼリー」。ほのかでさっぱりした甘みのある寒天風のゼリーはとても良い口直しでした。こういうちょっとした遊びがあるところが良いと思いました。

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最後に出てきたのは吟醸風の「袋吊るし絞り」の生酒。これは酸味が押さえられていて、その分日本のお酒にちょっと近いかな? と思わせます。なかなかしっかりした味のお酒でした。

日本酒というと、お寿司とかお刺身に慣れ親しんでいる私ですが、この味の日本酒だったら、カナディアンのレストランで濃厚なソースの肉料理とあわせると、逆にこの日本酒の酸味が良い具合に働いて、十分楽しめそうです。あのBistro Camino (その時のブログはこちらから)の牛タンシチューにあわせて食べたらどうかなぁ? などと思ってしまいました。

杜氏さんのお話では、おそらく来週から3つのタンクに仕込んだ新酒をしぼるそうで、どんな味のものになるのか楽しみです。今年もう一度こういうイベントを行うようですので、興味のある方はホームページをチェックされると日程がわかると思います。