トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2011年10月17日月曜日

秋のMcMichael美術館(Part1)

トロントは気温が下がり、平日は朝晩6〜7度になってきました。紅葉前線は間違いなく南下してきています。私だけなのかもしれませんが、今年は葉が落ちるのが早いようで、「目の覚めるような紅葉」を見ていません。それでも先日クラインバーグ(トロントから北に40分ほど)に行った折、所々で紅葉が見られました。
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この日の目的は、McMichel美術館(McMichael Canadian Art Collection、ウエブサイトはこちらから)に行くことでした。この美術館は、フランスの印象派に強い影響を受けた「グループ・オブ・セブン」と呼ばれるカナダの風景画家(Franklin Carmichael, Lawren Harris, A. Y. Jackson, Franz Johnston, Arthur Lismer, J. E. H. MacDonald, Frederick Varley)グループ(日本語の簡単な説明がここにあります)に加えて、オンタリオ州に住む先住民族のアート・コレクションで知られていますが、今回縁があって美術館を案内していただきました。



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今ではこんな立派な美術館になりましたが、もともとMcMichel夫妻はトロントにスタジオを持つ写真家で、もっぱら結婚式を撮影するビジネスを営んでいたのだそうです。それも最初は撮った写真を売り歩いていた、というようなことをしていたのだそうですが、ニューヨークでのビジネス成功した後に現在の土地を購入し(1955年)、カナディアン・アートの収集を始めました(1960年代)。その初期にTom Thomsonの作品と出会い、その作品の素晴らしさに魅了されたことから、彼の作品を含む「グループ・オブ・セブン」のコレクションを増やして行きました。これがこの美術館の始まりです。その後1965年になると、多くの人にカナディアン・アートの魅力を広めたいという思から、所有していた土地と建物、収集された美術品のすべてをオンタリオ州に寄付し、現在に至ったとのことです。この意味で、まさにこの美術館は「市民による、市民のためのカナダの美術の殿堂」と言っても過言ではないでしょう。

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彼らがクラインバーグの広大な場所を買い取った後にしたことはコレクションだけではありません。広大な土地に一本ずつ木を植えていったのだそうです。それが今から約50年前のこと。(写真に写っている男性は、今回招待してくれた美術館のメディア責任者のスティーブさん。彼とはカリビアン・カーニバル以来の付き合いですが、今年あるパーティーでMcMichael美術館の館長さんとおしゃべりする機会があって、その後彼女から別な形で彼を紹介してもらってびっくり。世の中は狭いものです・・・)

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美術館の通路にある窓から見える森林の景色。この日は紅葉した葉がすでに落ちていましたが、ここが豊かな自然の中にあるユニークな美術館だということがわかります。McMichael夫妻がここに移り住んだ時にはこういう景色ではなかったのですね。彼らがひざ位の高さの木をこつこつと植林していったというストーリーがあったというのは驚きでした。

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美術館内の撮影は原則禁止ですが、今回は許可を得て撮影をさせてもらっています。

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展示場に入る廊下は、過去と現在のカナディアン・アーティストの絵画が対象的に展示されているスペースになっています。

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オーディオツアーは残念ながら英語のみのようです。日本語での解説があると、嬉しいのですが・・・

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グループ・オブ・セブンの展示場。この他に先住民族のアート展示、特設展示場があります。

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ここは森の中にあるユニークな美術館、しかも本来は個人の持ち物であった丸太小屋であったため、絵画に大敵の湿気対策が大変。こうした湿度計は全部で18台設置されているそうです。

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展示場をつなぐ廊下。右側が展示場ですが、ここは外からの直射日光を避けるためにも設けられているそうです。

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窓から見える森。

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さて、美術館の内部をスティーブの説明を聞きながら見て回りましたが、その話の興味深いこと。どの美術品でもそうだと思いますが、特にグループ・オブ・セブンの作品については、あらかじめ情報を得てから来ると、より興味深く鑑賞することができると実感。その辺はこのブログでも考えてみたいと思っています。

次回はMcMichael夫妻が植林した場所の一部を歩いて、最近完成した屋外アートギャラリーの様子をお伝えしたいと思います。