トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2011年9月11日日曜日

あれから10年、WTC跡地の今の姿。


今から10年前の今日、NYで大事故が起きているという一報を聞いたのは子供を小学校に送り終わって家に戻る車の中で聞いていたラジオのニュースでした。その場ですぐに家に電話を入れて、テレビのニュースを見るように妻に言った事を今も覚えています。というのは当時トロントに来て5年、今まで勤めていた会社を辞めて独立し、いわゆる個人事務所を立ち上げて観光業と縁の深い新しい歩みを始めた矢先の事でしたから、「NYで飛行機事故があったようです」というニュースには敏感にならざるを得ませんでした。あれから10年。今回NYを訪れるにあたって、どうしても見ておきたい場所がありました。それが二機のジェット旅客機が突っ込んだWTC(ワールドトレードセンター)跡地でした。



上の写真は「FDNY Wall」と呼ばれるブロンズ製のレリーフ。現場で救助活動にあたり命を落とした343名のNY州の消防士たちを記念するもので、ちょうどWTC跡地に向かっているLibertyストリートにあります。


その隣には各国からこの地を訪れた警察官や消防士達が残していったワッペンなどが、花束とともに捧げられていました。


大型のダンプカーが出入りをしているその場所に立つと、建築のために騒然とした雰囲気に包まれてはいましたが、本当にあのような大惨事が起きたということが信じがたい、そのような思いがぬぐいきれない思いがしました。それが10年の年月ということなのでしょう。


それが一変したのは上空からこの場所を見た時。上空から見たマンハッタンは、信じられないくらいの密度で高層ビルがそびえ立っており、それはまさに「圧巻」の一言。しかしWTC跡地に近づくと、そこだけ「穴が空いた」ように沈み込んでいたのです。フェンスに囲われていて見えないWTC跡地に立った時に、どうしても上空から見ていたいと思っていました。翌日ブルックリン・ブリッジからウォールストリートに向かうフェリーの到着した船着き場のすぐそばにあるヘリポートを見つけたのは偶然の出来事。ルートを聞いて迷わずヘリコプターに乗り込みました。


自由の女神をゆっくりと旋回しながらマンハッタンに向かうヘリコプターは、まっすぐ北上してマンハッタンを目指します。真下に見えるWTC跡地は、あの巨大なWTCビルの南棟、北棟のあった2つの場所がぽっかりとした穴になっていました。10年かけても埋められない穴がNYのマンハッタンのど真ん中に空いている、それがある意味ですべてを物語っているのだということを実感。


跡地では、写真を見せながら黒人のおじさんが訪れる観光客に盛んに何が起きたのかということを説明している光景は、実際ここは観光地化しているのですね。これこそNYのたくましさと同時に、10年という歳月のなせる業なのでしょう。



あれから10年、私自身のことを振り返れば色々なことを経験して来ました。そしてあの悲惨なテロから10年という節目の年、全くの偶然に自分の目でこの場所を見る機会が与えられたというのは、自分自身のこれまでを整理するために、またこれからの方向にとってとても良い機会だったと感謝しています。